活動報告
2025.08.07
近弁連でPFASのシンポジウムを開催しました。
本年7月26日、私が所属している近畿弁護士会連合会の公害環境委員会で、現在社会的に関心が高まっているPFASについてのシンポジウムを開催しました。私は兵庫県内で確認されている河川のPFAS測定値状況などを報告しました。
PFASは、熱や水・油をはじく特性から、工業製品、泡消火剤、日用品など広範な用途で使用されてきましたが、環境中で極めて分解されにくく人や野生生物の体内に容易に蓄積するという特性があり、特にPFOS、PFOAは健康への影響が指摘されており、社会的な問題となっています。
兵庫県でも、県内の各自治体が、水道水、河川、地下水のPFOS、PFOAの測定調査を行っており、明石川の上中流域の複数の河川や地下水から、国が定めた暫定目標値を大幅に超える高濃度汚染が確認され、大きく報道されています。一方で、兵庫県内の多くの自治体では浄水された水道水は安全と記載していますが、住民団体が行った周辺住民の血液検査では、約半数で、欧米の血中濃度基準値を超える結果となりました。
世界的にはPFASに対する規制が非常に強まっており基準値も厳格化していますが、日本では、未だ科学的知見が明らかでないとの理由で規制レベルは後追いの状態です。しかしながら、国民の健康と生活環境を守るための対策は、科学的知見の不足を理由に遅らせてはならないことは、歴史的にも明らかです。
兵庫県弁護士会の公害環境委員会でも、今後継続して県内のPFAS汚染状況を追跡することにしています。
(弁護士 與語信也)