神戸花くま法律事務所

活動報告

2020.05.26

石炭火力発電所建設差止訴訟とWEB報告会の試み

 現在、神戸市灘区において、神戸製鋼が巨大石炭火力発電所を建設中です。石炭火力発電は地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を大量に排出します。世界的に温暖化対策へ大きく舵を切っている中、日本においても、石炭火力発電所の建設計画は、あちこちで中止に追い込まれています。

 私は、周辺住民の方々が提起した、建設中の石炭火力発電所の建設差止訴訟と行政訴訟の弁護団に所属しています。温暖化による被害が全国で顕在化している中、さらなる二酸化炭素の大量排出施設の建設を食い止めるための訴訟です。

 この訴訟は、未来世代のための訴訟という重要な意義があります。今よりさらに悲惨な気候変動の影響を直接受けるのは、我々ではなく、現在子どもである未来世代です。このままだと30年後には、自分達では止めることのできない負の連鎖に巻き込まれているかもしれません。未来世代のための行動を、我々はつきつけられているのです。

 この訴訟はメディアでも大きく取り上げられており、期日後に行っていた報告会にも毎回多くの方が参加してくれていました。しかし、今回のコロナ禍により、裁判期日も延期となり、報告会も行えない状況となってしまいました。

 そこで、今回、初めての試みとして、ウェブでの報告会を行いました。画面の向こうの聴衆の皆さんの様子がわからない中、カメラ目線で話すのは難しいという点もありましたが、参加者からは、興味があっても裁判に足を運べないからウェブ報告会はとても助かる等多くの意見を多く頂き、また、実施側としても、質疑応答やアンケート集計が非常にやりやすいというメリットもあり、報告会の一つの選択肢となっていくと感じました。

(弁護士 與語)

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